グループという格差~類別空間~

商空間

 グループ。それは学校において大きな意味をもたらす。学校での立場はどのグループに所属しているかによって決定されると言っていい。もちろん俺のクラスにもグループは存在する。サッカー部が中心となっているグループ、派手めな女子たちで構成されているグループ、いわゆるオタクが集まっているグループなど、さまざまである。このクラスには2つのグループを回っているようなオールマイティーな人はいないようである。だから、面白いことに「岡崎」と言われれば、あの何となく集まったようなグループをすぐに連想することができるのである。だから、このような会話もよく見る。
 「なぁ、木村知らねぇ?」
 「知らんな。けど、あいつよく川崎と行動してるから、川崎が入ってる飯田のグループと一緒にいるんじゃね」

 とはいうものの俺は困ったことに、どのグループにも所属していない。そのため体育の時のチーム決めや、班分けの時は基本あまり者となってしまうのだ。そこで、俺は同じようにどのグループにも所属しておらず、いつもゲームをしている彼に尋ねてみることにした。
 「なあ、やっぱりグループに入ったほうがいいのかな。別に俺はいいんだけど、班を作るときとかに先生たちに迷惑かけるじゃん。けど、今から入るのも気まずいんだよなー」
 すると彼はPSPから伸びているイヤホンを左耳のほうだけ外してこう言った。
 「何言ってんだ。俺たちはどのグループにも所属していない。そういうグループなんだよ」

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